1月30日から2月2日ころを、七十二候では
「鶏始乳」と書いて、「にわとりはじめてとやにつく」と言います。
また、鶏始めて乳す(にゅうす)と書かれることもあり、「乳す」は鳥が卵を産むという意味であり、「とやにつく」は鶏小屋に卵を抱いて巣に籠る様のことを表してます。
本来、鶏の産卵期は春から初夏にかけて、2月から4月ころの期間であり
まさに冬の最後である大寒の終わりの今頃に、立春を前にして、春めいてきた様子を表した言葉だと思いました。
面白いなと感じるのは、
「乳す」と書いて、「とやにつく」と表現するところ、
卵を産むという行為よりも、鶏小屋に卵を抱いて籠るという様を表現をするところから、
昔から人の生活や食、生き方に、鶏がとても身近な存在だった事を感じます。
今では年中、卵はスーパー等で容易に手に入り、卵から季節感を感じたり
旬に食べられる有難みを感じることは
普段の生活では、なかなか接することはできませんね。
人の食への探究心、欲求、欲望のようなものは過去も現在も凄まじく強いエネルギーを感じます。そこから得られた知恵、豊かさはとても多くのものがあり、失っていくものもとても多くあると思います。
最近では、擬似肉の技術、昆虫食などが持続可能な未来の技術や文化として注目されますが、
私たちは食べ物や食べ方といった外面へ、目を向けるばかりではなく
それ以上に
私たちと食との関わり方、食の豊かさの在り方といった、自分の内面に目を向ける事も大切にしたいなと改めて感じました。
いまは、まん延防止措置の対応により、グレーネは休業中ですが、また皆様とこのような思いも一緒に共有できるような取り組みを作りたいです。
写真は、とても甘い蕪をギアラとコトコトとゆっくり煮込んだお料理です。
まだまだ寒い日が続きます。お身体ご自愛ください。
ビストロラグレーネ/tel 054-266-3311